本会は、地質地盤情報の活用を通じて安全で快適な国民生活を構築することを目標とし、地質地盤情報の整備・共有化・活用の進展を目指します。
地質地盤情報は大地を構成している岩石や地層の種類や特徴を記述したもので、災害に強い街作り、防災(地震、火山、地すべりなど)、国土開発、環境保全、インフラ整備、産業振興、そして安全で快適な国民生活に必須の情報です。
地質地盤情報には公的データと民間データがあります。公的データは国や地方自治体が取得した情報で、民間データは企業や個人が取得した情報です。いずれの情報も開発や建築などの目的に応じて取得され、目的に沿った使用後に保管されます。
公的データは税金を資金として取得した情報ですので、国民の共有財産と言えます。国や一部の地方自治体の公的データはデータベース化されていますが、それ以外の地方自治体ではデータベース化が進んでいないことや利便性が整っていないことが課題です。
一方、民間データは企業や個人が保有する情報ですので所有権があります。しかし民間データは隣接地域とのデータ共有化や公的データと相互補完することによって、より高精度かつ広範囲の地質地盤情報を整備することができます。民間データについても公的データと同様に共有化を進め、将来の安全で快適な国民生活を構築するための基本情報とすることが重要です。
このような観点から、本会は公的データだけでなく民間データも国民の共有財産としてとらえ、地下の地質地盤情報をより高精度に把握し安全で快適な国民生活のために役立てることを提案します。そのために公的、民間を問わず種々の地質地盤情報をアーカイブするシステム、つまり地質地盤情報の“電子図書館”の構築を推進します。さらに地質地盤情報をアーカイブし効率よく的確に二次利用する仕組みとして地質地盤情報活用推進基本法を提案します。
本会は目標達成のため地質地盤情報に関する以下の活動を進めます。
- ワークショップや勉強会の開催
- ホームページ、冊子、講演などを通じての広報
- 社会における地質地盤情報の整備・活用の現状調査
- 法整備に関する考察と法律の枠組みの検討
これらの活動により、国民の科学リテラシーや防災に関する認識の向上など、社会への波及効果も期待しています。
今後ともご支援、ご指導をよろしくお願い申し上げます。
2023年4月
地質地盤情報の活用と法整備を考える会
代表 栗本史雄