2018(平成30)年度

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2018年度(平成30年度)

【本間 勝先生(明海大学)との意見交換】

2018年(平成30年)528日(月)、不動産開発や売買における地質地盤情報の共有化と公開について意見交換を行いました。今後、不動産に関して地質地盤情報の重要性が増すことが予想されることから、不動産と地質地盤を題材にして意見交換を継続することになりました。

 

【第13回幹事会】

2018年(平成30年)528日(月)、第13回幹事会を開催し、今年度の活動目標として、不動産における地質地盤情報の活用を取り上げることになりました。

 

【本間 勝先生(明海大学)の講演報告】

「考える会」会員の本間 勝先生(明海大学)が、2018年(平成30年)725日、大阪ATCグリーンエコプラザにおいて、第85回水・土壌汚染研究部会セミナー2題目の講演を行いました。栗本が参加しましたので、簡単に報告いたします。

https://area18.smp.ne.jp/area/card/251/j19n9C/M?S=sapa0pdk0k

最初の題目「汚染と言われる土地の有効活用 ~測ることの重要性~」では、第38回本セミナー報告(2010年)「土壌汚染地における土地の有効活用について」をレビューし、その後の進展と新たな課題を整理されました。土壌汚染対策法(平成15215日施行)では、土壌環境基準値の超過について厳しい判断が下されますが、数値のみを重視するのではなく、それぞれの土地が持つストーリー(地歴や当事者間の背景)を考慮し、環境リスクの判断を行うことが重要であることを強調されました。また、202041日施行予定の改正民法においては、瑕疵担保責任が廃止となり、新たに「契約不適合責任」の導入が予定されていることを説明されました。これにより、不動産売買の契約時に土地の性状を明示することが重要であることから、「土地を測る」ことの必要性を述べられました。

第2の「オーストラリア滞在報告~生活の豊かさと環境教育~」では、滞在されたタスマニアの風土、気候、日本との関係などに加え、大学のみならず、街全体を挙げた環境教育の取り組みを紹介されました。オーストラリア、タスマニア州の宅地造成や住宅事情を紹介された上で、日本の宅地造成の課題として、地質や環境、さらに自然特性を科学的に検証するべきである、という考え方を提唱されました。

 

【第14回幹事会および勉強会】

2018年(平成30年)919日(水)、第14回幹事会を開催し、(一財)国土地盤情報センターの動向について話し合いました。内容は、81日に「検定申込サイト(地盤情報検定受付システム)」が、そして93日に「地盤情報公開サイト(国土地盤情報データベース)」が開設されたことです。後者のデータベースは、国土地盤情報センターと協定書を交わした機関のみが閲覧できる限定公開となっています。今後も動向を見て参ります。

そのあと、本間 勝先生(明海大学不動産学部)をお招きし、「不動産における地質地盤情報の活用」について勉強会を開催しました。2020年の民法改正により、不動産売買の契約において「瑕疵担保責任」という用語が廃止となり、新たに「契約不適合責任」の導入が予定されることから、契約時に土地の性状を明示することが重要になります。新しい民法において、地質地盤情報がどのように位置づけられ、不動産取引に生かされるかという課題について議論を始めました。

この勉強会には、齋藤宏保氏(ジャーナリスト、元NHK解説委員)、大塚雅隆氏(株式会社ジオネット・オンライン)にご参加いただくことができました。豊富な知識と経歴のお持ちのお二人に加わっていただき、活発な議論となりました。

今後もこのような勉強会を行い、「不動産における地質地盤情報の活用」について考えをまとめたいと思います。会員の皆様にはご参加・ご協力をお願い申し上げます。

 

【第15回幹事会】 

2019年(平成31年)313日(水)、第15回幹事会を開催し、2018年度の活動を総括し、新年度においても、不動産に関する地質地盤情報の議論を続けること、地質地盤情報の整備と法整備について検討を進め、ホームページ、冊子、講演などを通じて広報するという活動方針を確認しました。

 

【勉強会の開催】

2019年(平成31年)313日(水)、本間 勝先生(明海大学不動産学部)をお招きし、不動産取引における地質地盤情報について勉強会を開催しました。2020年民法改正における、瑕疵担保責任から債務不履行による契約不適合責任への改正、契約当事者の違いによる法的対応について解説をいただきました。要点は以下の通りです。

『今回の改正によって不動産取引の場面で生じる要点は、契約書の明文化が進み、契約時点における詳細な事実共有とそれに基づく将来的な危険負担の合意形成が図られることにある。つまり、当該物件の事前調査の重要性とそのデータの活用が一層促進され、建物だけでなく土地に関するインスペクションの発展も見込まれることにある。

日本では当事者だけによる直接的な契約行為が多いが、今後は契約が重要視されることから、専門家によるセカンド・オピニオンや交渉代理人の設置が益々重要な社会となる。具体的には契約を交わす際に、当該物件の物性状態、たとえば土地の性状、地盤の特徴などについて、契約当事者間の情報共有と合意が重要となる。このことから地質地盤データの重要性が増し、その活用範囲が高まるとともに、不動産取引の際に地質地盤の専門家やコンサルタントのサービス需要が見込まれる。不動産取引に実質的にかかわることにより、地質地盤情報の整備と信頼性が益々重要となる。すでに多くの国では、複数の分野・立場による専門家の契約介在が一般的である。』

以上のことを踏まえて意見交換を行い、将来、不動産取引に関して地質地盤情報の重要性が高まること、およびそのための地質地盤情報の整備が必要であることを再確認しました。

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